今回の旅は、JALで行く世界自然遺産の縄文杉で有名な屋久島ツアー2日目です。JGCを活かそうとJALパックで鹿児島県屋久島に乗り込み、万全の体制で縄文杉トレッキングを迎えたのでした。
目次
起床は朝3時半だよ眠すぎよ~
前日緊張もあってかあまり眠れませんでした。というよりいきなり夜型から朝型シフトは無理でした。(反省)
夜9時ごろには床についたのですが、眠れん!でも身体は休めようとじっとしてます。。。
そのうち眠りについたのでしょうが、3時半のスマホのアラームでも起きれません。スヌーズで1回でなんとか起きます。こんな朝早い時間に起きた記憶がないです。眠すぎる!
一応できる格好は最大限に。寒さ対策で極暖のヒートテックを着込み(あとで分かるのですが汗をかくと乾燥しづらいのでおすすめしません…)、愛用のワコールのCW-Xのスパッツの圧で締め上げて下半身は防護。
前日に雑にパッキングしたレインコートや携帯トイレや朝食やおやつ等を入れたザックを背負い、レンタルトレッキングシューズを履き、ラクサホテルを出ます。もう真っ暗です。外の電灯もほぼないし。。。
ベルトラのツアーでガイド付きで申し込んだのですが、集合はラクサホテル横の杉の舎に4時15分頃です。各ホテルを回りながら登山客を乗せた迎えのバスがやってきます。
スタートは荒川登山口
半分眠りながら山道を1時間ほどバスに揺られて荒川登山口に到着です。バスの車内も妙に静かすぎます。神妙。
途中で数カ所登山客をピックアップで回りながら、弁当を受け取るために弁当屋に寄ります。担当のツアーガイドさんから手配依頼していたお昼の弁当を受け取ります。人によっては朝昼両方手配している人もいます。
スタートの荒川登山口ではトイレは忘れずに済ませておきましょう。ちなみに以下の写真は昼間のです。
担当のベテランガイドさんに今回集まったのは精鋭!?6人。女性が多いですね。自己紹介して軽くストレッチなどの準備運動してすぐに急いで出発です。もう早朝から急いでる感がすごい。。。不安だ。。。
トロッコ道を延々と
荒川登山口から入ってすぐのトロッコ道から朝5時半くらいにスタートです。
山道は真っ暗なのでヘッドライトや懐中電灯がないと橋とかで転落して死にます。最初のトンネルだけは電灯がありました。(お先は見た通り真っ暗です。)
こんなに真っ暗だとは!一応ヘッドライトを準備したものの、かなり軽く考えてました。
手にライトを持つより絶対ベッドライトの方が身軽でおすすめです。角度をつけられた方が見たい斜め前の足元を照らせるので便利です。
橋は手すりなんてないところもあります。落ちたら川に真っ逆さま。道は板2枚分の幅くらい(30-50センチくらい?)です。フラフラもできません。(以下は一部の橋の昼間の写真ですがこれを真っ暗な状態で渡ります)
多分高所恐怖症にはつらいです。ていうか橋では歩きながら横や下を見る勇気はないです。(周りは真っ暗だけど水の音は聞こえる…)ただ、斜め前の板の道を見つめるのみ。怖すぎる。(年に数人は落ちているそうです…)
歩くペースはやはり早めです。せめてもの救いは最初は平坦なトロッコ道だということ。と思っていたら、橋とかところどころ穴が開いてますやん!ガイドさんが教えてくれますが、よく足元を見てないとつまづいたりして転落、滑落です。
疲れない歩き方も随時レクチャーしてもらえます。前向きに倒れるようにリラックスして歩くこと。下りは脱力すること。
階段の昇り降りは重心を極力上下させないこと。(記憶のかなたの物理でやったような力学的エネルギーの保存則で言うと、位置エネルギーのロスを抑えるってことでしょうか。)
歩いたり止まったりせずにゆっくりでも極力同じペースで進み続けること。(急な推進力やブレーキを抑えて運動エネルギーのロスを抑えるってことでしょうか。知らんけど。)などなど。
ここが最初からできているかどうかで1日の疲れ具合が全然変わってくるそうです。
ちなみに、ストックもあった方が膝の負担も少なくなりそうですが、聞くところによると使い慣れてないと逆に危険だそうです。特に平坦でない山道は。
振り回して後ろの人に怪我をさせることもあるそうです。あくまでも補助的な役目であって全体重を預けたりすると折れたり縮んだりして大怪我のもとだとか。結局レンタルして持ってきたものの使わずじまいな方も。道具って便利だけど使いこなすのが難しいものですね。
また、縮めたストックをリュックに入れていると上側が突き出すので、険しい山道は、横に突き出す木の枝とか避けながら上がったり下ったりするので、自分の全体の位置関係・サイズ感を正確に把握してないと枝や幹にひかかったりして危ない感じでした。車の運転で右折左折するときみたいなものかもです。内輪差注意!みたいな。
真っ暗なモーニングタイム
1時間も歩かないうちに休憩所に到着して朝食タイムです。小杉谷休憩舎になります。(写真は昼間のです。)
15分くらいの休憩なので飲み物と昨日買ったパンで軽めに済ませます。真っ暗なのでヘッドライトで手元を照らしながら。そもそもこんな朝早くから食欲ないので、胃に詰め込んだに近いです。
再びトロッコ道をひたすら進みます。暗いし黙々と。
次第にあたりも明るくなってきてヘッドライトも消灯です。ありがとうヘッドライト。電池切れだけ要注意です。
写真は夕焼けでなく朝焼けです。光が差してきてちょっとうれしい瞬間です。
このトロッコ道は、古そうなので昔使ってたのかと思いきや、なんと実は現役とのことでした。林業などで使っているそうです。屋久杉を伐採して運んでいるんでしょうね。レール錆びまくってますやん…。ていうか本格的な山道までトロッコで運んでほしいなぁ。。。
異形の三代杉
途中で三代杉に遭遇。まさに異形。ツリーオンツリーオンツリー。
1代目の屋久杉の上に2代目の屋久杉が育ち、さらにその上に3代目の屋久杉が育つという。歴史ありすぎ。
屋久島ならではの生態系なのでしょうか。畏敬でもありますね。
阿吽の仁王杉
力強くそびえ立つ、仁王像のような風貌の仁王杉に遭遇。吽形は倒木したそうですが、阿形が残っています。
我々7人登山チームも阿吽の呼吸で進みます。途中で倒れませんように!
出発から2時間半程度歩いてようやくトロッコ道も終わり、橋を渡ると山小屋が見えてきます。
山小屋のトイレ休憩でほっと一息。
山小屋から本格的な山道へ
トイレ休憩後に出発です。ここからが登山の本番の大株歩道入口です。基本はほぼ上りです。
木の板で歩道ができている箇所はわりと歩きやすいです。
景色は山奥深く。木々に差し込む太陽の光がきれいです。
切り口がハチの巣(レンコン?)のような横たわる大木。
生命力半端ないって!
時折見える隣の山にも癒されます。
ハート形のウィルソン株
しばらく慣れない山道を登ること30分程度でウィルソン株に到着です。イギリス人の植物学者ウィルソン博士が世に広めたとか。
余談ですが、ウィルソンと言えば、ビートルズのジョージハリスンを95%という恐るべき税金で苦しめたのもイギリスのウィルソン首相時代でした。
だんだんと縄文杉トレッキングの世界観が出てきます。もう辺りはジブリの世界。大きな切り株の上に新たな命が芽吹いています。これが世界自然遺産クラスなのか!?
めちゃ大きな切り株の中には・・・。大きな空洞と祠(ほこら)が。
ウィルソン株の中のある位置から上を見上げると、ハート形が浮かび上がります。幻想的。
人気スポットのウィルソン株にパワーをもらって充電完了!
ちなみに縄文杉トレッキングの先発隊なら空いていますが、後発隊だとかなり混み合って写真は順番待ちになるそうです。ご注意下さい。
大王杉
お次は大王杉です。縄文杉発見前は最大級・最強の屋久杉と言われてました。圧巻。
夫婦杉
続いて夫婦杉です。2本の杉が枝を介してつながって融合しています。奇跡。
染みわたるランチタイム
午前中にようやくランチタイムです。もう何時間歩いたか分かりません。朝早すぎたことと疲れで時間感覚がマヒしてきます。
ベルトラのオプションで昼食のお弁当を付けたのでザックから取り出していただきます。シンプルなお弁当ですが、めっちゃうまいです。
ツアーガイドさんがその場でお湯を沸かしてみそ汁を作ってくれました。温かいみそ汁が疲れ果てた身体に染みわたります。感動。
ランチタイムで元気もかなり回復して最後の縄文杉を目指します。
偉大なる縄文杉
ラストはついに目的の縄文杉です。ゴールが近づいてくると足取りも少し軽くなります。
目標地点のゴールの瞬間です。苦しい中登ってきて気持ちが昂ってか、両手を上げて入ってくる人も多数です。
携帯の電波も復活。なぜかドコモもauも入ります。もう階段とか撮影エリアとか柵とかちゃんと整備されてて観光地。ここまでの道が酷かっただけに、ちょっと拍子抜け。(笑)
それでも圧巻の樹齢7200年とも言われる縄文杉を目の前にすると神秘的な姿に圧倒されます。高さ25.3メートル。屋久島の歴史が詰まっています。
ここまでつらかった道のりなだけに余計に神々しい。
無の境地の帰途
写真撮影もそこそこに時間も迫っているので帰途につきます。前半元気のなかった死にそうな顔の人もなぜか元気が出ると言う不思議。縄文杉のパワーでしょうか。いや、折り返し地点ですから。
脱力を意識して坂道を下っていきます。力まず力まず。脱力〜。
あとは無の境地で。無です。疲れ果てて考える気力もないです。
ポイントポイントでモグモグタイムの休憩しながらひたすら下ります。手軽なゼリー飲料や個装のチョコレートも大活躍。ストレッチもこまめに。だんだんと体が言うことを聞かなくなりますので。
橋の上から足をブランと休憩。マイナスイオンを全身に浴びる。
夫婦杉と違って仲の悪い木々。種類が違うと融合できないみたいです。
ここからはもののけ姫的なジブリシリーズ。
もう天衣無縫。
常識なんて通じない世界。
妖精いますよね?きっと。
水の音が気持ちいい。
森は生きている。
滝ちゃん。
エメラルドグリーンに輝く川。
苔むす屋久杉。
覆われ杉。
花もあるよ。
空を見なよ。
閑話休題、ガイドさんの手につかまりながら下山する方もいます。途中で、他のチームで怪我をした人がいたのかガイドさんが荷物全部待ちもいました。みんな一生懸命なのです。
思ったのですが、ガイドさんも登山客もお互いに当たり外れがありそうですね。ガイドさんにとってはちゃんと最後まで怪我せず歩ける体力のある元気な登山客に当たってほしいでしょうし、登山者にとっては経験豊かな面倒見の良いベテランガイドさんに当たってほしいものです。
ベルトラの口コミ評判でも賛否両論でいろいろ書いてありますが、それがこのツアーのお互いの一期一会なのです。楽しくても辛くても、今この日を、この瞬間を大切にしようではないですか。
今回は幸いに素晴らしいガイドさんに巡り会えて、山に対する深淵な知識量と経験に関心きりでした。ガイド経験で培ってきた知識も当然あるのでしょうが、個人的に様々な書籍や文献でも積極的に勉強しているのがよくわかります。トロッコ道とかは話し相手にもなってくれるので疲れも少しは忘れられます。この出会いに感謝ですね。
ちなみに、本格的な山道ではトレッキングシューズが大活躍です。靴の裏の凹凸でしっかり地面を捉えてくれるので滑りづらいです。万が一スニーカーできてたらいろんな意味で死んでました。
こちらも最初はもしやスニーカーで行けるんじゃないかと甘く見てました。レンタルしてよかったです。トレッキングシューズは必須アイテムですね。
今回は幸いにも雨は降らなかったので(前日も晴れでした)、ぬかるんだ道もあまりなくコンディションがよかったのでかなりマシだったとは思いますが、雨だと本当に考えただけでもヤバいです。いや、考えたくないです。汚れるのはもちろんのこと、視界も悪く滑りまくりそうです。
天気はほんとに運ですね。前の週は雨降りまくってましたから。天気予報を見て直前に旅行を予約できるとベストですがなかなかそうもいかないですからね。山の天気も変わりやすいですし。
山登りにはトイレや体調も要注意です。トイレがある場所では、こまめにトイレを済ませることはもちろんのこと、途中に携帯トイレ用ブースもあるので、携帯トイレを1つ持っておくだけで安心感が全然違います。
ゴールの荒川登山口
無心で歩き続けてスタート地点の荒川登山口に16時30分頃到着です。
帰り道は速足のゾンビのように行進していたからかあまり記憶がないのです。(笑)
足の痛みは怪我はないものの相当なもの。それでも、足が痛いと思うと足が前に出なくなるので、もう無心で。ゾンビモード。
ゴールではもう感無量です。11時間22キロの修行はここで幕を閉じました。みんなでわいわいと記念撮影。
そのまま倒れるようにバスに乗り込み宿まで爆睡。ZZZ…。
縄文の宿まんてん温泉で劇的な復活
18時頃にラクサホテルに着いて部屋に戻りますが、階段がヤバいです。激痛でまともに上がれない…。一気にきた感じです。もうおじいちゃん。
少し休んでとりあえず緊張が解けたのかお腹が空いて夕飯へ。
しかし、狙っていた人気イタリアンのイルマーレが営業してないという残念な結果に。
またもやドラッグストアコスモスで安い冷凍食品に。安いからお支払いは現金のみです。
ラクサホテルでレンチンして大人しく夕飯です。これでたったの300円です。
その後にラクサホテルでお得な1000円の縄文の宿まんてんの温泉の券を購入して、バスタオルを持って、半分足を引きずりながら向かいます。
すごく綺麗な旅館で、2階の奥の温泉へ。夜遅かったので貸切に近い露天風呂でのんびり疲れを癒します。
ガイドさんにすすめられた、温冷浴を試します。水風呂に入る自信がなかったので、水シャワーで足を中心に冷やして、次にあっためてと3セット繰り返します。
温冷浴で交感神経が刺激され、筋肉が収縮し、疲労により発生した炎症物質の減少、むくみ改善につながるそうです。
なんと効き目抜群!
登山後のホテルの階段が痛くて泣きそうだったのに、温泉の後は階段の痛みがなくなっているという奇跡。
ミラクルきた!
生き返ったので帰ってから檸檬堂とツマミで乾杯。お疲れ様でした。
縄文杉トレッキングまとめ
歩数38000歩11時間22km登山の成果として多分人生の中で1日の最大歩数達成です。よくがんばったと自分を褒めてあげたいです。
ウォーキングアプリのANA Pocketも電池を持たせるために半分機内モードにしていたのですが、こんな感じになりました。たまに電波が入って拾ってくれたのでしょうか?
電波荒川登山口や縄文杉ではドコモもauも電波は入りましたが、途中途中は入らない時が多かったですね。山岳ガイドさんは基本トランシーバーでやりとりしてました。ご参考までに。
人生で一度は行ってみたい、世界自然遺産の神秘の屋久島の縄文杉。11時間22キロの修行を満身創痍なものの無事にやり遂げました。一期一会のツアーガイドさんと支え合ったチームのおかげですね。
偉大なる縄文杉を目の当たりにした感動というより、真っ暗な早朝から夕方まではるばる縄文杉まで行って帰ってきたと言う体験の達成感や安堵感の方が強かったかもしれません。
できるだけ人生の中で若いうちに(今が一番若いですから!)、世界自然遺産の縄文杉を一度は経験しておいた方が良いと思います。
縄文杉トレッキングツアー 登山口までの送迎込 装備レンタル・お弁当オーダーも可能
これからもかけがえのない経験という配当貯金を続けます。ありがとうございました!