毎年e-Taxで確定申告していますか?しっかりと最新の税制を理解して税金をコントロール(節税)することは大切です。
今回は恐怖の税金の歴史について学びながら旅していきましょう。
現在の日本の税率
日本の今の税金の税率は、所得税は累進課税で最大で45%、住民税は基本は10%なので、合計最大55%もの所得がお国にもっていかれます。せっかく稼いだ収入が半分近くなくなるとなんだかやるせない気持ちになりますね。
といっても、最高税率55%が課されるのは、所得が4,000万円以上とごく一部の富裕層だけであり、最低税率はおよそ15%(もし控除後の所得がゼロならゼロです)と大きな開きがあります。
(正確には全所得に最大の55%も課されるわけではないのですが、ざっくり最大半分程度取られると考えておけばよいかと思います。)
もう天国と地獄の差くらいありますね。
世界的に見ても先進国でトップクラスの税率です。そりゃパーマネントトラベラーの人とかタックスヘイブンの海外移住する人とか増えますよね。。。
サラリーマンだと社会保険料など含めて30%くらい給与明細の額面から消える人も多いのではないでしょうか?今後もどんどん増税の方向となります。
高額年収の代表であるプロ野球選手など数億円の年収だとしても半分も国に持っていかれるのかひどい話だと子供心に昔は思ったものです。
しかし、それでも次のエピソード話を聞くとまた違った考え方の視点も出てくるかもしれないので紹介します。
世の中には、もっとすごい恐怖の税率の時代もあったのです。実は今が天国なのかもしれませんね。。。
以下に4つの事例をご紹介します。
奈良時代の年貢(貧窮問答歌)
奈良時代に詠まれたという有名な万葉集の貧窮問答歌にありますね。作者は山上憶良氏です。歴史の教科書でも学んだかと思います。
貧窮問答歌から一部抜粋すると、
「直土に 藁解き敷きて 父母は 枕の方に 妻子どもは 足の方に 囲み居て 憂へ吟ひ 竈には 火気吹き立てず 甑には 蜘蛛の巣かきて 飯炊く ことも忘れて ぬえ鳥の のどよび居るに いとのきて 短き物を 端切ると 云へるが如く 笞杖執る 里長が声は 寝屋処まで 来立ち呼ばふ」
つまり、竈も使う機会がなく炊飯器には蜘蛛の巣がはるくらい、生きるか死ぬかの瀬戸際ぐらいめっちゃヤバイ貧しさなのです。それに追い打ちをかけるように、役人が借金取りのように家に税の取り立てにきてわめいているのです。
税率は、田んぼを借りるだけで20%くらい取られたとか。それに通常の税率(租で約3%くらいとか)ですが、天候や災害で米の収穫量なんていくらでも振れるので、不作の年は年貢が大変なことになりそうですね。。。
奈良時代、税率だけでは語れないくらいいろいろヤバイです。
江戸時代の年貢(五公五民)
五公五民と言われた江戸時代の年貢ですが、全収穫量の50%を領主が取り,残り50%が農民の手元に残ります。
つまり税率50%です!
こちらもお上に半分持っていかれるので厳しい税率ですね。そりゃ百姓一揆も起きますね。
経営の神様の時代(昭和)
経営の神様と言えば、松下電器創設者(現パナソニック)の松下幸之助氏ですが、昭和49年の税率はすごいです。
なんと最大93%です!
10億円稼いで、9億円税金を払い、手元に残ったのは1億円だけだったそうです。
そんな中でもこんな名言も残しています。
「9億円の税金を国に払ったと言うより、お国のために10億円稼いだので、ご褒美に1億円いただいた感じです」
もう気持ちの持ちようですね。まさに神様です。
ビートルズの時代(イギリス)
ビートルズの時代は、昭和ですが、イギリスの税率もすごかったようです。
ビートルズのジョージハリスンが名曲を残しています。1966年リリースなので昭和41年と先ほどの松下幸之助氏の時代とほぼ同じです。
その名も、タックスマン(Taxman)!
Let me tell you how it will be
There’s one for you, nineteen for me
‘Cause I’m the Taxman.
仕組みを教えよう。君(ジョージ)が1、私(お国)が19だ。なぜなら私は税務官だからだ。
なんと、税率95%です!
おそるべし。そりゃ歌で嘆きたくもなりますよね。歌詞に出てくるウィルソンとヒースは当時の英国首相や政治家ですね。
もはや嘆きの確定申告のテーマソングといっても過言ではありませんね。
せっかく頑張って稼いでも90%以上の大半を持っていかれた昔はやってられませんね。それと比べると今は天国なのかもしれません。。。
余談ですが、「はたらけど はたらけど なおわがくらし 楽にならざり ぢつと手を見る」 と一握の砂で歌った石川啄木もいましたが、実は遊び人だった模様です。。。
以上税金の今昔物語でした。
もうはまだなりまだはもうなり?
いろいろな考え方があるのでしょうが、税金の歴史から学ぶことも多いですね。
税金は正しく節税して正しく納税しましょう。
2023年2月から確定申告が待っています。e-Tax使えるのは楽だけど、収支をまとめるのが面倒だなぁ。
まあ面倒にならないよう1年間分をまとめてやらずに普段から収支や領収書等の記録をまめにまとめる習慣が大切ということではありますが。仕組化が大切ですね。
ちなみに夏休みの宿題は最後まで火が付かずに自由研究とか絵画とか一気集中でやるタイプでした。
それでは、また2023年の確定申告の日まで。