今回の旅は、JALで行く世界自然遺産の縄文杉で有名な屋久島3日目です。前日に11時間22km38000歩という過酷な縄文杉トレッキングツアーで全精力を使い果たし、翌日はやくざる号という屋久島一周132キロを時計回りに巡るバスツアー参加となります。
前日の縄文杉トレッキングのダメージで足腰があちこち悲鳴をあげているものの、バスツアーならなんとかなりそうな感じです。前夜の縄文の宿まんてんの温泉の温冷浴で一時的に奇跡的復活を果たしたものの、やはり筋肉痛がすごいです。(翌日に筋肉痛が来るだけマシなのかな…)
ちなみに、屋久島ホテルを検索しているといわさきホテルがよく出てきますが、温泉施設としては、屋久島最大だそうです。古くて大きなホテルのイメージです。
本当は勢いで翌日にもののけ姫で有名な白谷雲水峡の苔むす森へ突撃したかったのですが、幸か不幸か都合の良いツアー予約が取れなかったので、次回屋久島を訪れた際のお楽しみということにしました。
今回予約したやくざる号での屋久島一周バスツアーですが、縄文杉トレッキングツアー同様にベルトラで予約しました。1日バスツアーで昼食付で1人5500円~とリーズナブルで、慣れない土地でレンタカーを借りるよりは安心で楽チンです。
簡単な朝食をラクサホテルでいただきます。ピザトーストなどです。
宿泊のラクサホテル横にまつばんだ交通のやくざる号バスが8時台に迎えに来てくれます。ありがたいですね。宮之浦・小瀬田・安房の各ホテルを順に回っていき、気づけばバスも満席に近くなりました。意外と人気なのかもしれません。
今回の屋久島一周ツアーのパンフレットです。
1日の流れとしては千尋の滝、中間ガジュマル 、大川の滝、西部林道、いなか浜、ふるさと市場で昼食、ヤクスギランド、紀元杉のコースとなります。
千尋の滝
「ちひろ」ではなく、「せんぴろ」の滝と読むそうです。まずはこの千尋の滝を目指します。
バスの途中の道に電気柵が張り巡らされています。シカやサル侵入防ぐ目的のようです。彼らはもはや害獣として駆除対象なんですね。
駐車場に停めて徒歩5分程度で到着です。道もちゃんと舗装されていて縄文杉がツラすぎただけに楽すぎます。ありがたい。
途中に屋久島国立公園のこの先世界自然遺産地域の看板も。横目に千尋の滝を目指します。
実は、映画の千と千尋の神隠しの名前はこちからからきているそうです。宮崎監督が大好きな滝なんですね。また、屋久島の養豚場の豚の鳴き声を録音して使用しているようで、エンドロールに協賛記載あるそうです。
人が両手を広げた長さを「一尋」と呼び、1000人分で千尋だとか。想像がつかない。落差は60mです。
滝の壁は一見コンクリートのように見えますが、花コウ岩であり、写真のように綺麗に割れる特徴のようです。
中間ガジュマル
中間川のガジュマル見学です。バスを停めて中間川沿いを歩いてすぐです。
まずは川沿いに巨大なガジュマル。茶トラの猫が河原をのんびり歩いています。水面に映る自分の姿とシンクロしながら。
川の水が透き通っています。ちなみに、屋久島の水は超軟水で硬度10くらいだそうです。まろやかでぬるっとした感じがするよう。
橋を渡ると人気のガジュマルスポットへ。木の枝が溶けているような雰囲気。実は自宅でも小さなかわいいガジュマル(以前どこかの株主優待のカタログギフトで選んだもの)を育てているのですが、サイズ感も雰囲気も全く違いますね。もはや大老です。
ガジュマルは、気根がどんどん降りてくる不思議な木で、枝の太さがまばらで水分が多いので役に立たない木のようです。ただ、防風樹にはなるのでこの目的で植えられているみたいです。
ANA SFC修行でも訪れた沖縄石垣島近くの西表島で仲間川のマングローブツアーに参加しましたが、淡水と海水の中間地点で生きるマングローブとガジュマルは違うみたいです。どちらも生命力のある不思議な植物ですね。気になる木。
大川の滝
「おおかわ」ではなく、「おおこ」と読むそうです。屋久島の方言みたいです。
落札88メートルの日本の滝100選です!
滝近くの岩場に入っている人がいますが、けが人が多いようで危険なので遊歩道までとのことでした。岩場にポツンと座っている人の大きさから滝の大きさが分かるかと思います。
ここは携帯の電波も入らないですね。大川の滝は増水すると右側の岩壁も豪快に流れるそうです。
世界自然遺産の西部林道
バスで通行できる世界自然遺産は珍しいようです。ちなみに、世界自然遺産決定後に道路拡張工事中止され、そこからは大型バスは通行不可となりました。
道路沿いにめっちゃヤクシカやヤクザルがいます。
もののけ姫のヤックルか!?
ヤクザルは道路上にも我が物顔で平気で。完全に人間に慣れきっていますね(なめきっている?)。お尻も真っ赤です。
毛づくろい中のヤクザル。ほほえましい。道路上にヤクザルがいるとバスはどいてくれるのを待つしかありません。
狭い西部林道ではバスにガンガン木があたります。バスのサイドもトップも傷だらけになるようです。世界自然遺産に認定されると木を切るにもユネスコ申請が必要らしくいろいろ面倒なことも増えるそうです。
屋久島の世界自然遺産登録の要因として、以下3点挙げられるそうです。
1.植物の垂直分布
2.原生林の照葉樹林帯
3.原生林の針葉樹林帯
虫や台風や落雷で木々にも被害が出て、以下ようにバッサリ裂けて折れている木も散見されます。サルやシカの獣の食害もあるようです。
ただ、これが自然に取ってダメかというとそうでもなくて、木が折れたら下に太陽当たって新たな命が芽吹くので必要とのことです。まさに自然の破壊と創造(再生)ですね。
永田いなか浜
次のポイントはウミガメの産卵地としても有名な永田いなか浜です。2005年にラムサール条約登録湿地として登録されています。
きれいな砂浜で砂の粒が大きいです。ちなみに、山の島なので海はすぐ深くなるようで海水浴は注意だとか。そもそも地元の人は川が中心であまり海水浴しないとか。
ウミガメ上陸日本一で、 5月から8月にかけて現れるそうです。アカウミガメ、アオウミガメの2種類です。1回ピンポン球130個くらい産み、生まれた子供亀は5000匹に1匹だけ戻ってきてまた産卵するというのですごい奇跡的な確率ですね。
ふるさと市場でランチタイム
ようやくふるさと市場でのランチタイムです。屋久島名物の飛び魚御膳をいただきます。
トビウオのから揚げは見た目からも分かるように骨が多いものの、羽は煎餅のようにパリパリ食べられます。ようやく屋久島のトビウオが食べられて満足です。
ヤクスギランド
昼食後は自然公園のヤクスギランドです。入場に500円の協力金が必要でした。
ヤクスギランドは超おすすめスポットです。30分から210分のコースがあり、遊歩道がちゃんと整備されているので、縄文杉トレッキングの自信がない方でも、軽装で安心して屋久島の自然を楽しむことができます。私はスニーカーでしたが余裕でした。
ツアー客は、ガイド付きののんびり30分コースか、ガイド無しの50分コースを自由に選択することができます。私は、体中が悲鳴を上げているので、もちろん30分コースです。コースの看板に従って、遊歩道の順路をゆっくり歩いていきます。
朽ち果てた屋久杉に多くの新たな命が芽吹いています。
きっとこんな妖精(こだま)います。よね?
樹齢1000年以上が屋久杉と言われるそうで、そこまでいくと木のコブ(脂のかたまり)が増えるようで、年輪が数えられない場合は、コブが樹齢の判断基準にもなるようです。それ以外は小杉と言い、植林は地杉と言うそう。
大きな屋久杉の切り株の上に屋久杉が育っています。昔は伐採後に、切り株の上に2本の杉を植える習わしがあったとか。ツリーオンツリーです。縄文杉トレッキング途中で遭遇した三代杉やウィルソン株も同様ですね。
そして、ここでも人工的ながらも破壊(伐採)と創造(植樹)ですね。
圧巻の双子杉。動き出して襲ってきそう。
足元にも驚きが。台風や落雷での倒木が遊歩道をふさいでも、そのまま加工して木の階段にしてしまう工夫も見られます。
天を見上げてもダイナミックな屋久杉。パワーもらえちゃう。
ちなみに、屋久島を訪れたのは11月でしたが、数少ないカエデが黄色に色づき始めていました。屋久島にもみじはないらしいです。だから赤くないです。まばらに黄色いくらいです。この季節の紅葉を期待してたのに緑ばっかりでした。。。(笑)
吊り橋から眺める川も絶景かな。
苔も元気。にょーん。
落ちそうで落ちない水玉のついた苔も見事。
生命力を感じる苔。コケーッ!
あぁ、これがジブリのもののけ姫の世界観なんだなと実感します。(実際は白谷雲水峡の苔むす森が最も該当するようですが、今回は断念し、次回の屋久島旅行の楽しみにとっておくことにしています。)
きっとシシ神さまが住んでるに違いない。
ジブリすごい。というより屋久島すごい。
紀元杉
最後の観光スポットは、車で見に行くことができる最も大きな屋久杉と言われる紀元杉です。バスで目の前に停車できます。推定樹齢3000年とのこと。まさに紀元前。
紀元杉は以前どうやら落雷で枝が折れてしまったようです。バンドとかで補強されていました。やはり人間にも植物にも台風や落雷が脅威となるのですね。
また、紀元杉への様々な植物の着生も多数で、共存共栄している姿が見られます。花も咲いています。中には絞め殺しの木と言われる、ヤマグルマも見受けられます。
紀元杉を回って見ていくと、表裏の表情が違うことが分かります。裏側では紀元杉に直に触ってパワーをもらうこともできます。皆に触られすぎて黒くツルツルになっています。
紀元杉に自然の脅威と畏怖を感じずにはいられません。今までの常識が通じない世界が屋久島にあります。まさに破壊と創造(再生)ですね。
最後のパワースポットを後にして、爆睡してたらやくざる号は無事に宿泊のラクサホテル帰ってきました。
焼肉れんが屋でジビエディナー
ラクサホテルで夕飯の送迎をお願いします。近くに食べるところが少ないので、事前予約しておくと安房地区に18時過ぎなら無料で送迎してくれます。ありがたいですね。
お肉を食べたいと言うと、焼肉屋のれんが屋へ連れて行ってくれました。食べログでも3.4以上と高評価です。
ジビエのシカが食べられます!飛び魚は食べたのであとはシカですね。安房地区の焼肉れんが屋に到着後、すぐに席に通してもらえました。
注文したのは、人気No. 1のミックス定食ととりめしと屋久島三岳焼酎ロックで。
さっそく鉄板で焼いていきます。屋久鹿、黒毛和牛、黒豚と豪華3種類も肉が揃っています。食べ比べですね。
気になるヤクシカですが、ミディアムレアで塩でいただきます。ジビエの独特の臭みもあんまりなく、思った以上に柔らかく美味しいです!意外すぎます!クセが強すぎかと構えてましたが杞憂でした。
黒毛和牛、黒豚は言うまでもなくうまいです。飲みやすい三岳焼酎で流し込んでいきます。途中から水割りに。最後にボリューミーなとりめしでお腹いっぱいに。
お会計もお腹いっぱいで1人3000円もいかなくて安くて良心的です。大満足で送迎の車に乗ってラクサホテルに帰還しました。
前日の縄文杉ツアーと違って、体も精神の負担も少なく充実した1日となりました。
やくざる号で世界自然遺産の屋久島一周したい方はベルトラで簡単に予約できます。おすすめです。
それでは、おやすみなさい。(爆睡)